50周年記念のつどい パネルディスカッション

パネルディスカッション
「社会福祉学科との出会い、学び、そして今の私」

●3人のパネリストからの提言●
 樋口恵子先生による講演の後、休憩を挟んで「社会福祉学科との出会い、学び、そして今の私」と題してパネルディスカッションが行われました。コーディネーターとして司会進行をみどり会元会長関根由子氏(新19)が務め、樋口先生にもコメンテーターとしてご参加いただきました。
 パネリストは、前新宿区長、中山弘子氏(新17)、社会福祉法人ビーハッピー「みのりの家」施設長、渡邉美佐緒氏(新23)、フジテレビ編成局広報センター、清野真紀氏(新46回生)。世代の異なる3人のパネリストに日本女子大学社会福祉学科卒業後のキャリアについてお話しいただきました。

●「こうありたい」という思いを大切にして●
プラスメッセージの発信を(中山氏)
 中山氏は昭和38(1955)年、高度経済成長が始まった時代に日本女子大学に入学。女性が仕事に関わっていく分野として社会福祉学科を選ばれたとのこと。「卒業して51年、みどり会は50周年、まさにみどり会と共に自分はあったのだ、感慨深いものがあります」と話されました。
 卒業後は東京都労働局に就職。当時は男性優位の職場で歯がゆい思いをされたことも多々ありました。当時、仕事と子育てとの両立は並大抵のことではありませんでした。時間の使い方、仕事の管理、人との協力等、様々なことを学んだ、と語っていらっしゃいます。28歳のとき管理職試験に挑戦するチャンスが訪れます。受かるのは2、3%といわれ、当時、女性の合格者がまだない中、見事に合格、その後も様々な功績を残されました。
 2002年11月、新宿区長選挙に無所属で出馬し初当選。東京都23区初の女性区長となり3期12年を務められました。行政の仕事は「予算がない、前例がない」に、とかく押されがちですが、中山氏は新宿区長になられてからも「どうありたいか」という思いを大切にしてこられたとのこと。「『こうありたい』という思いは必ずつながります。背中を押してくれる人、一緒にやってくれる人が必ず出てくるはず。あきらめず、プラスメッセージを発信していくことが大切だと思う」と熱く語られました。

●人と人とを比べない、ありのままの人生を
命ぐるみで大切にしたい(渡邉氏)●
 続いて、平成元(1989)年に重度・重複障害の方たちのための施設「みのりの家」を設立し、その運営を30年続けてこられた渡邉氏にお話しいただきました。
渡邉氏のご両親は成瀬仁蔵先生のご著書に感銘を受け、3人のお嬢さんを日本女子大学の付属校に。渡邉氏が高校1年生のとき、当時付属高校の校長を務めておられた一番ケ瀬康子先生(43回生)の講演で映画『この子らを世の光に』が上映され、「光を当てるのではないんです。この人たちが光そのものなんです、分かりますか」と話されたことが心に染み入るようだったとのこと。その後、大学の社会福祉学科に進むと、吉澤英子先生(新2回生)から「福祉は現場に知恵がある」との教えを受けました。
 卒業後、弘済学園(知的障害者の施設)に就職。そこでの様々な経験から「人は生まれてきたこと、それだけでどんなに尊いことか。自分のことも他人のことも肯定できる空気感がほしい」という思いが湧き、自宅でご主人と無認可の施設を始められたとのこと。
「人と人とを比べることのない場所を存続させてくださいね」とみどり会の先輩ご夫妻が励ましてくださったことが、活動の大きな支えとなったそうです。「30年で自分が経験したことを次世代に託していきたい」と渡邉氏、地域の中で安心して暮らすことができる社会になってほしいという思いも伝わってまいりました。

●テレビはどんどん発信していくもの、
発信には責任が伴うもの(清野氏)●
 現在、フジテレビでご活躍の清野氏は平成8年のご卒業。『みどり会ニュース』137号「このひと」の欄にもご登場いただきました。
 中学生のときからマスコミに携わりたいという夢を持っていた清野氏。大学時代はマスコミの道に進むための情報収集に明け暮れたとのこと。見事に夢をかなえられ、フジテレビに入社。多忙な日々を送ってこられましたが、大きな伝達力を使った情報発信という形で何かできないかと考えていたときに、異動で東日本大震災を取り上げた映画「遺体~明日への十日間~」に携わることになったそうです。内容は釜石の遺体安置所で苛酷な体験をしてきた方の物語を取り上げるというもの。商業ベースに載せることから、モデルとなった方々にどう理解していただくのか、その使命とは何か、たいへんな覚悟を持って取り組まれました。
「テレビはどんどん発信していくものですが、映画は残るものなので、ぜひ後世に残していきたいという思いで作らせていただきました。今は広報という部署で、フジテレビが作っているものを外部に発信していく仕事に取り組んでいます。発信には責任が伴います。自分の意志一つで伝わり方が変わり、日々勉強しながら業務に携わっています」とお話しくださいました。

●百歳社会の主役は女性です、
勇気を持って発信力を! 次の50年を目指して●
 パネリストのお話を受けて、樋口先生から「行政で現実と渡り合いながら対応された中山さん、施設を立ち上げて30年も続けてこられた渡邉さん、本当にすごいですね。清野さんにはテレビ局からどんな言葉で伝えてくれるのか、これからも期待したい。百歳社会の主役は女性です。勇気を持ちましょう。そして発信力を持ってください」とのコメントを頂きました。そして秋山ちえこさん(エッセイスト)が亡くなる少し前に、おっしゃった言葉をご紹介くださいました。「人生百年時代。20年単位で考えるといらだつこともあるけれど、50年単位で見れば世の中すごく変わってるわよ」。その言葉をこれからのみどり会の活動にも向け「次の50年を目指して頑張ってください」と結んでくださいました。
 関根氏は「皆さんのお仕事に邁進される姿勢の根本に社会福祉学科で勉強したことが生かされているように思います。社会を変えていく原動力となるよう女性が頑張ってまいりましょう」とまとめられました。
 最後に成田会長の「明日から始まる生活の中で、自分の足元をふと振り返るとき、今日頂いた様々なヒントを何らかの示唆としてご活用いただければと思います。今後ともみどり会の活動にご協力のほど、よろしくお願いいたします」との言葉で、みどり会50周年記念の日のつどいは締めくくられました。







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